アガベの価値はどう決まる? 現地バイヤーが考える「時間」と「個性」の話。
CAUSE TOKYO では、手に取りやすい価格のエントリー株から、一点モノの高級株まで、幅広く取り扱っています。
アガベの世界に初めて触れる方にとって、最も分かりにくいのが「価格」かもしれません。
「なぜ同じアガベ品種で、これほどまでに価格が違うのか?」
そう不思議に思うのは当然のことです。
現地で買い付けを行うバイヤーの視点からお話しすると、アガベの価値(=価格)は、主に「時間」と「個性」という2つの要素で決まります。
1. 「時間」という価値
比較的安価な株は、最新のメリクロン(组织培养)技術などを駆使し、効率よく生産された個体であることが多いです。これらは形が整っており、数も安定して供給できるため、アガベの育成を始める最初の選択肢として最適です。私たちも、良いメリクロン株は積極的に仕入れています。
一方、高価な株には、それだけの理由があります。
例えば、広大な農場の片隅で、何年も風雪に耐え、ゆっくりと時間をかけて、岩のように硬く締まった巨大な株。そこには、人間の意図を超えた濃密な「時間」が蓄積されています。
長い時間をかけなければ出せない風格。そのタイムコストが、価値として価格に反映されます。
2. 「個性」という価値
もう一つは、二度と同じものが手に入らないという「希少性(个性)」です。
生産者も予期しなかったような特別な変化(変異)を遂げた株や、荒々しい環境が作り出した唯一無二の棘のうねり。これらは、工業製品のように量産することができません。
「この株の、この顔つきが好きだ」
そう直感的に思える強烈な個性を持った株は、世界に一つだけのアートピースと同じであり、高い価値が認められます。
3. 実務的な要素について
もちろん、これらに加えて、私たちのような貿易商の実務においては、より現実的な要素も価格に関わってきます。
市場の「需要と供給」のバランス、国境を越えるための「輸送コスト」や「為替」の変動、そして検疫や関税といった「制度」に関わるコスト。
CAUSE TOKYO では、現地との直接取引によって中間マージンを省きつつ、これらの実務コストを適正に反映させることで、持続可能な価格設定を心がけています。
YOUR STANDARD|あなたの基準で
安いから悪い、高いから良い、という単純な話ではありません。
手軽に育成を楽しめる株にも、一生モノのコレクションになる株にも、それぞれの良さがあります。
CAUSE TOKYO では、それぞれの株が持つ背景(ストーリー)を可能な限りお伝えします。価格という基準だけでなく、ご自身の感性にフィットする一株を選んでいただければ幸いです。